「法廷養育費」月2万円が決まるまでの経緯と、ひとり親支援の現場から見える課題
私は現在、ひとり親の方の支援をしています。
最近とても感じるのは、
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3人きょうだいの末っ子が0歳
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1人目だけど生後数ヶ月の赤ちゃん
……そんな“0歳児を抱えたままの離婚”が本当に増えているということです。
結婚には理想や憧れがあるのは自然ですが、
あまりにも「今後の生活」を考えずに離婚に踏み切ってしまう家庭が増えているように感じます。
さらに驚くのは、
「早く離婚したいので、養育費はいりません!」
と本来受け取れるお金を手放してしまう人が多いことです。
しかし養育費は 元パートナーのためのお金ではなく、子どもの権利としてのお金。
どんなに少額でも「ゼロより絶対いい」。
だからこそ今回の制度は、多くのひとり親が救われる大きな一歩になると感じています。
法定養育費「月2万円」で正式決定 来年4月からスタート 法務省
なぜ「法廷養育費」が必要になったのか?
● 養育費が受け取れていない家庭があまりにも多い
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養育費の取り決めをしているのは約4割
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実際に継続して支払われているのは約2割
日本ではほとんどのひとり親家庭が「養育費ゼロ」で子どもを育てています。
● 子どもの貧困問題が深刻化
母子家庭の平均収入は低く、
「生活がギリギリ」「進学を諦める」というケースが多発。
離婚が子どもの人生に不利に働かないよう、国が制度見直しに踏み切りました。
どのようにして『月2万円』が決まったのか?(経緯)
● 2023年
法務省が家族法改正の議論を開始。
離婚後の親権、面会交流、養育費のあり方を総合的に検討。
● 2024年
国会で法案可決。
「国が養育費の基準額を定める」仕組みが盛り込まれた。
● 基準額の算定方法
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子どもの生活に必要な最低限の費用(食費・衣類・学校・医療など)
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既存の「算定表(養育費の目安表)」の最低ライン
これらをもとに、「子ども1人あたり月2万円」が基準額として決定されました。
● 2026年度から段階的にスタート
運用が始まれば「支払わない」という選択肢が大幅に減ります。
現在わかっていること(2025年時点)
① 法廷養育費は「月2万円」(最低ライン)
収入が高い場合はこれ以上の金額が義務になる。
子どもの年齢が上がると増額される可能性もある。
② 離婚時に「養育費の契約」が必須へ
調停や公正証書など、書面での取り決めが前提になる。
③ 話し合いがまとまらなくても自動適用
取り決めがない場合は、国が定めた額(月2万円)が自動的に義務となる。
④ 未払いには強制執取がしやすくなる
給与・口座の差押えなど、行政のサポートが強化される。
支援の現場から見える「制度ができることの意味」
① 「養育費はいりません」を防げる
離婚時は不安と混乱で、冷静な判断ができないことも多い。
国が最低ラインを示すことで、
本来受け取るべき支援を“諦めない”ための土台になる。
② 子どもの未来を守る金額になる
たとえ月2万円でも、
1年で24万円、5年で120万円。
進学・習い事・医療など、子どもの選択肢を広げる大切な資金。
③ 支援者側も伝えやすくなる
「国が決めている金額があります」という説明はとても影響力がある。
支援現場での相談もスムーズになり、親御さんが一歩踏み出しやすくなる。
まとめ:養育費は“親の問題”ではなく“子どもの未来”のお金
離婚は大人の選択ですが、
その影響を最も受けるのはいつも子どもたちです。
養育費は元夫婦の関係とは関係なく、
子どもの権利として受け取るべきお金。
どんなに少なく感じても、
“ゼロにしないこと”が子どもの未来を確実に守ります。
現場で多くのひとり親と向き合う中で、
今回の「法廷養育費」の導入は困る家庭を確実に減らす大きな一歩だと感じます。
これからも制度の動きを追いながら、
ひとりでも多くの子どもが安心して育てる社会づくりに役立つ情報を発信していきます。
最後まで読んでいただきありがとうございました。